洋上風力発電所の観光地化・観光資源としての活用【漁業不振が促す】

洋上風力発電所の風車

洋上風力発電所のメリット

脱炭素化の切り札として、洋上風力発電に期待が集まっています。

そんな洋上風力発電には、次の2つのメリットがあるとされています。

  1. 陸上に比べて大きな風力を持続的に得られるため、安定的に大きな電力供給が可能になる
  2. 洋上であるため、騒音や万が一の際の人的被害リスクが低く、設置場所の確保がしやすい

しかしそれ以外にも、海上に巨大な風車が多数建設されることによって、「観光地化」できるメリットが挙げられます。

洋上風力発電所の観光ツアー【イギリスの場合】

イギリスでは、近年再生可能エネルギーの割合が急激に上昇しています。

2020年8月13日付の東京新聞の「<地球異変>風前の英石炭火力、再生エネルギー急成長」と題した記事によれば、2010年には石炭による発電割合が28%、再生可能エネルギーの発電割合が10%以下だったのに対して、2020年には石炭は3.8%まで低下し、再生可能エネルギーが47%と完全に逆転しています。

その再生可能エネルギーのうち、32.3%が洋上風力発電によるものであり、31.5%の陸上風力発電よりも上回っています

このように、国土が海で囲まれ強風も吹くイギリスでは、急速に洋上風力発電の推進に舵を切っているのですが、その結果として新しいビジネスが誕生しています。

それが、「洋上風力発電の観光ツアー」です。

ツアー客は小型ボートに乗り込み、洋上風力発電所周辺を周遊するもののようです。

英南東部・ブライトン沖で、116基もの巨大な風車を有するランピオン洋上風力発電所が稼働したことによって、

見学ツアーガイドのポール・ダイアーさん(56)は「洋上風力発電への関心の高まりでツアーは盛況。発電所は街の自慢さ」とほほ笑んだ。

2020年8月13日付の東京新聞

とあるほど、観光資源としての活用も盛んになっているようです。

洋上風力発電の観光資源としての期待感【日本の場合】

デンマーク コペンハーゲンの洋上風力発電所の風車

イギリスと同様に、国土が海で囲まれる日本の場合はどうでしょうか?

これまで日本の洋上風力が普及しなかった要因の一つが、漁業権との共存の難しさにあったようです。

しかし、2020年8月4日付の日本経済新聞の「洋上風力 漁業不振が促す」と題した記事にあるように、漁獲量は年々減少し漁業を取り巻く環境が厳しさを増す中、前向きな漁協も現れてきており、「海上に風車ができれば修繕管理や観光など関連の産業が生まれる」という期待感があるとのこと。

まさに、イギリスの場合と同様の経済波及効果を期待する声があるようです。

近年では、日本でも多数の洋上風力発電所の建設計画が報じられるようになりましたが、洋上風力発電の観光地化は日本に根付くでしょうか?観光地化できるほどの魅力を備えたものになるでしょうか?

日本におけるこれまでの風力発電の観光・見学は、陸上に建設された風車を各々が自分で見に行く、というスタイルが多く、ビジネスとしての取り組みはほとんど無かったのではないかと思います。

しかし洋上風力となれば、現地である程度人数を募ったのちに船やボートを手配し、ツアーのような形を組む必要があります。

イギリスではそういった取り組みがビジネスとして成立しているようですが、日本でも十分に可能性があるのではないでしょうか

より多くの方が風力発電に興味をもって、いつか日本でも洋上風力発電所の見学ツアーが一般的になる日を期待したいと思います。

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