新青山高原風力発電所は、三重県の津市と伊賀市に跨って設置されている大規模ウィンドファームである。笠取山(標高842m)から青山峠に至る南北約15kmにわたる青山高原に建設されている。
先だって2003年3月から運転を開始している青山高原風力発電所の南側に隣接して設置された新青山高原風力発電所は、40基もの風車が建設され、その総出力は80MWにもなり国内最大級である。
青山高原には、その他の風力発電所も含めると89基もの風車が設置されており(2022年時点)、高原に広く立ち並ぶ様子はまさに圧巻である。
青山高原風力発電所はラガウェイ社製のアップウインド方式の風車(ナセルの形が平らである事が特徴的)であるが、この新青山高原風力発電所は日立製作所製のダウンウインド方式の風車が採用されている。
タワーより風下側でブレードを回転させるダウンウインド方式の日立製風車と、タワーより風上側でブレードを回転させるアップウインド方式のラガウェイ製風車が並んで設置されているため、それらを対比させて眺める事ができる。
青山高原風力発電所のラガウェイ製風車の方が、1基あたりの出力が0.75MWと小さく小型であるため、大きさでもそれらの違いを判別する事ができる。
下の地図では、新青山高原風力発電所のダウンウインド方式の風車を近くに望む事が可能な第2駐車場の位置をマーカーで示している。
アクセスとしては、伊勢自動車道の久居インターチェンジで降り、青山高原/青山高原ウインドファーム方面の案内に沿って国道165号を進み、青山トンネルを抜けた後すぐに左折し県道512号に入り道なりに進むと沢山の風車群が見えてくる。
なお、青山高原風力発電所からさらに北上すると、ウインドパーク美里のGamesa製風車があるため、こちらも合わせて見学する事ができるが、風車見学を終えた後は、そのまま航空自衛隊 笠取山分屯基地の横を過ぎて県道512号を東側に進むのでは無く、再度県道512号を折り返し、再び国道165号線に戻った方が良いと思われる。
基地横を過ぎてそのまま進むと国道163号に繋がってはいるものの、途中の道路が非常に狭くカーブの多い山道であり、一部すれ違いが困難な場所もあるためである。林の中の道であるため、風車を望む事も難しい。
青山高原が日本最大級の風力発電拠点となっている理由には、次の3点が挙げられる。
- 年間平均風速が7.5m/s以上で風況に恵まれていること
- 航空自衛隊のレーダーサイトがあるため特別高圧線(22kV)が架設されており、系統連系が容易だったこと
- 風力発電機の部材を輸送するための道路(国道165号と県道512号)が整備されていたこと
付近には、CAFE WINDY HILL(不定休)というカフェがあるため、風車見学の後の休憩に利用したい。
風力発電所データ
名前 | 新青山高原風力発電所 |
所在地 | 三重県津市・伊賀市 |
総出力 | 80MW (2MW x 40) |
風車数 | 40基 |
運転開始 | 2016年3月(18基)、2017年2月(22基) |
見学設備 | 有 |
駐車場 | 有 |
接近 | 可能 |
その他 | – |
風車データ
メーカー | 日立製作所 |
製造国 | 日本 |
機種 | HTW2.0-80 |
単基出力 | 2MW |
ハブ高さ | 65.4m |
ロータ直径 | 80m |
受風方式 | ダウンウィンド |
増速機 | 有り |
風力発電所の写真
円山草原展望台から見た写真
円山草原(標高755m)にはベンチが設置されているため、休憩しながら新青山高原風力発電所の風車群を眺めることができる。
円山草原は、強い風衝によって樹木が生長しにくく、ツツジやイヌツゲなどの低木がわずかに点在するササの草原が広がっている。(引用:円山草原に設置された看板より)
「さかきばら風の館」付近から見た写真
「さかきばら風の館」付近にも風車が多数建設されているため、休憩を兼ねて訪れたい。
(「さかきばら風の館」は、テーブル・ベンチ・トイレなどがある小さな建物で、休憩できるようになっている。以下の写真のように、近くに駐車場も整備されている。)
アクセス
下の地図では、新青山高原風力発電所の風車を近くに望む事が可能な第2駐車場の位置をマーカーで示した。ここからは、円山草原展望台も近い。
関連リンク
青山高原風力発電所の三重県公式HP・・・風のめぐみの館の見学を希望の場合は予約が必要。
【風車めぐり】 第35弾 : 新青山高原風力発電所・・・詳細に訪問記がまとめられており、写真も美しい。
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