風力発電所見学に適した季節
風車を見に行くのに適した季節は、やはり春から秋がおすすめです。春や秋であれば長時間の滞在となっても過ごしやすいでしょう。
風車が設置されている場所は風況が良い場所であるため強い風が吹いている事が多く、夏場に訪れるのも涼しくて気持ちが良いと思います。
一方で冬の場合には、高台に設置されている風車を見学する際は想像以上に寒くなるため、十分な防寒対策が必要になります。
風力発電所見学に適した天気
天気については、晴れた日であれば、高くそびえる壮大な風車と青空のコントラストが映え、最も胸が躍る光景を見る事ができます。曇り空の中で回転する風車を見学するのも、また違った良さがあるかもしれません。
ただし、山の上にある風力発電所では、天候が悪いと発電所全体が雲の中に入ってしまい、風車どころではない濃霧になる場合もあるので、そういった場所ではできるだけ晴天の日を狙った方が良いでしょう。
雨の場合は、風を感じながらゆっくりと風車を見る事が難しくなるため、やはり避けた方が良いと思います。特に発雷時は、風車に落雷することがあり危険ですので、風車への接近は控えるべきです。
冬の雪の日には、風車に付着した雪や氷が落ちてくる恐れもあるため、十分に注意してください。
風力発電所見学に適した風速
せっかく風車を見に行くのであれば、やはり風車が回転している所を見たいものです。その回転の原動力となる「風」を全身で体感した時には、言葉にはできない感動があります。
風車が回る条件は、当たり前ですが、適度な風速があることです。ここで「適度」と表現したのは、強すぎる風でも、弱すぎる風でも風車は止まってしまうからです。
風車のブレードが回る最低限の風速を、「カットイン風速」と言います。最近の大型風力発電機のカットイン風速は3m/sを下回っています。つまり、木の葉がそよぐ程度の風が吹けば、ブレードは回るのです。一方、風が強すぎて止めるときの風速を「カットアウト風速」といい、25m/sぐらいに設定されています。
その日の風速は、例えば以下のようなサイトで事前に調べる事ができます。あくまでおおまかな地域ごとの予測とはなりますが、その日に風車が回っているかどうかの目安が得られると思います。
このようなサイトを参考にしながら、上空の風速がおおよそ3~25m/sの間である日に風車見学に訪れれば、大きなブレードが回転する風車を見ることができるはずです。
風速に関する豆知識
風車が設置されている場所は、当然風がよく吹く所です。年間の平均風速が7m/sを超える事が、風力発電設置業者が事業化に踏み切る目安とされています。(「風車のある風景―風力発電を見に行こう」から引用)
ちなみに7m/sの風は、砂ぼこりが舞い立つほどの風です。昔から、「おろし」や「だし」、「やませ」などの強い季節風に悩まされてきた地域が、風力発電のよい候補地になっています。また海の近くは風が強いので、海に突き出した岬には、多くの風車が立っています。山を乗り越える風も強まるので、山の尾根も候補になります。
逆に、台風のような強風の場合には、風が強すぎるため風車が壊れないように風車を止めてしまいます。
さらにいうと、風力発電には定格風速というものがあり、この風速を超えると発電出力は一定に保たれます。
この定格風速も、風力発電機のメーカーによって異なってきますが9~12m/s程度に設定されており、この定格風速付近での発電効率が良く、定格風速を超えた場合には出力を一定に保つための制御が行われています。
風力発電所見学に適した場所
ここからは、風力発電所見学に適した場所について考えてみましょう。
少し離れた場所から見学
風力発電所付近には、遠くからでも風車が見える場所があります。山影や、岬にそびえる風車を遠くから眺め、美しい空とともに写真を撮るのも良いですよね。
風力発電所自体が見学・観光施設として設計されている場合には、風力発電所の近くの見晴らしの良い場所に、展望所・展望台が整備されていることも多いです。
展望台からは、ウインドファーム全体を見渡すことができ、一度に沢山の風車が回る圧巻のスケールを体感する事もできるため、ぜひ合わせて訪れたいですね。
●展望台が整備されている風力発電所の例
青森県:大間風力発電所
岩手県:高森高原風力発電所 「星風の丘」
福島県:郡山布引高原風力発電所
茨城県:波崎ウインドファーム、ウインド・パワーかみす第1洋上風力発電所
熊本県:阿蘇にしはらウィンドファーム
鹿児島県:長島風力発電所
上で挙げた、展望台が整備されている風力発電所は一例です。
その他の場所を知りたい方は、↓下のサイト内検索で「展望台」「展望所」などのワードで検索すれば見つけて頂けるようになっています。
風車の真下から見学
さらに風車に近づいて、身長の何倍もある風車の真下から、風切り音を立ててブレードが回る風車を感じるのも気持ちいいものです。風車のタワー部を触ってみることで、遠くからは小さく見えた風車がとても大きいものであることを実感できます。
ですが、最近は風車付近に近寄ってタワーに触る事のできる風力発電所は、減ってきています。
これは、ほとんどが安全確保のためであり、どうしても仕方ない部分があります。しかし、まだ風車の真下まで近づく事のできる風力発電所もいくつかあるので、ここでご紹介しておきます。
●風車の真下まで接近できる風力発電所の例
岩手県:高森高原風力発電所 「星風の丘」
福井県:あわら北潟風力発電所
島根県:新出雲風力発電所
山口県:CEF豊北ウインドファーム
愛媛県:三崎ウインドパーク
鹿児島県:南大隅ウインドファーム
上で挙げた、真下まで接近できる風力発電所は一例です。
その他の場所を知りたい方は、↓下のサイト内検索で「真下 接近可」などのワードで検索すれば見つけて頂けるようになっています。
(※「真下」と「接近可」の間は、全角スペースではなく半角スペースにする必要があります。)
車で風車に近づけない場合
風車の近くまで車で行くことができず、駐車場から登山道を通っていく必要がある場所もあります。(牟礼ヶ岡ウインドファーム(鹿児島県鹿児島市)など)
そのような場合には、登山にも十分に耐えうる服装・靴の準備が必要です。給水用の飲み物も用意しておきましょう。
また、風車は畑の中などに設置されている場合もあるため、長時間の近隣地への駐車で、地元の方への迷惑にならないようにすべきです。